活動日誌

2018.06.28 歩行指導研修中

梅雨に入り、うっとおしい日が続いていますが、今日の宇都宮地方は久々の快晴となりました。

今日は、視覚障がい者の方の歩行に「スマートフォンでのナビゲーションシステムを利用した盲導犬との歩行の可能性」

というテーマで、研修を行いました。

 

盲導犬との歩行には、地図を頭に描くこと、それに自身がどこをどの方向に歩行しているのかを確認しながら歩くことが必要となります。

一方、未知の地域の場合の歩行については、スマートフォンのナビゲーションシステムを利用するユーザーも多くいらっしゃいます。

そこで、スマホのナビシステムがどこまで有効なのか、また、どのアプリケーションナビが活用可能なのかを、まずはiPhoneを使用して検証してみました。

ハンドラーとセーフティ、それにもう一人の確認者すべてのiPhoneで、試したいアプリとボイスオーバーを同時に起動し、出発!

1つ目のアプリケーションを使用して検証中。アプリからの指示とハンドラーの動きを確認し合いながら見守っていきます。

ここまでは順調のようですね。

 

ハンドラーはボイスオーバーからの音声と周辺の情報

を頼りに指示された目的地まですすんでいきます。

1か所目。それまで順調だったハンドラーの動きが止まります。どうやらナビからの音声と今いる場所とが一致しない様子。周囲からの情報収集を試みます。

 

アプリがどのような指示をしているのか、それに対してハンドラーがどのように動こうとしているのかを確認しつつ、目的地と思われる方向にすすんでいきます。

 

ハンドラーが再び止まりました。今度はハンドラーがナビからの情報を得ようとしている中でアプリが中断してしまったようです。

「ナビは”東にすすみます”と言ってるけど、私自身どっちに向かって歩いているのかわからないので、東と言われてもなぁ。」

ハンドラーが困っていることを一つ一つ検証していきます。

 

ほぼほぼゴールには到着したものの、ハンドラーが最後の最後に動けなくなってしまったのがここ。そう、ナビゲーションは目的地のファストフードの場所は教えてくれても、入り口までは誘導してくれないのです。

目的地ですぐさまフィードバックを実施しました。

実際にアプリを頼りに歩いてみたハンドラーからの感想や意見を基に、音量などのiPhoneの設定やイヤホンの使用不使用など、どのような組み合わせが果たして対象の方の歩行を最大限に活かすことができるのか。模索と検証はまだまだ続きます。

 

続いて、もう一つ、別のアプリで検証。ハンドラーは交差点で迷いだしました。このアプリは自分から情報を取りにいかないと位置を告げてくれないようです。

迷った挙句、「すみません」ハンドラーが援助依頼をしてきました。

こうした援助依頼は、自身がどこを歩いているか迷った時などにはとても有効な手段の一つです。定位を失わないように、その場に居ながら周囲に援助を求めることで、盲導犬ユーザーの方々ももちろん多用しています。

ようやく目的地に到着。

すぐさま検証を行います。「なるほど、このアプリだと目的地の手前でナビを終了してしまうんだね。」

「GPSの制度が甘いかな。」

「1つ目のアプリの方が使いやすいね。正歩道と逆歩道の区別がつくと良いんだけど。」

 

といった感じで、1回目は終了。

将来的には、視覚障がい者の方の歩行指導において、iPhoneに限らずその他のスマートフォン使用を取り入れた形でユーザーへの指導に結び付けられることを目的に、検証はまだまだ続きます。

 

さて、今回、視覚障がい者の方が、未知の場所でもスマートフォンでのナビゲーションシステムを使用することで目的地まで歩くことができるのかについて検証を行いました。

スマホは歩きながら操作することで、駅のホームから転落したり、人や物とぶつかってケガをするだけでなく、他人をも事故に巻き込んでしまうケースが多発しており、「歩きスマホ」の危険性が大きな社会問題となっています。

 

しかし、一方で、視覚に障害をお持ちの方は、「目的地までの地図を頭で描きながら」歩行する必要があります。「スマートフォンのナビゲーションシステム」活用の有効性が実証でき、実用化できれば、未知の地域を歩行する際や目的地の位置があいまいな場合などでも、正確でかつもっと気楽に行くことができます。

専門性の高い職員たちが周囲の状況に配慮しつつ、ハンドラー及び周りの方々の安全を十分に確保しながらすすめてながら、視覚障がい者の方の歩行補助具の一つとなればという想いを胸に、今後もさらなる実証を続けて参ります