盲導犬の一生

盲導犬の一生

盲導犬の一生は、たくさんのボランティアさんの愛情とご協力、たくさんの方々のご支援によって育ちます。

 

☆誕生~月齢約2ヶ月

盲導犬に向いている血統を持つお父さん犬・お母さん犬(繁殖犬)の間に生まれた盲導犬候補の仔犬は、
月齢2ヶ月までお母さん犬を預かっているブリーディングウォーカー(繁殖犬飼育ボランティア)の家庭で
過ごします。仔犬達は栄養たっぷりのお母さん犬のおっぱいを飲みながらスクスクと成長していきます。
また、この時期にはきょうだい犬との遊びの中で犬同士のコミュニケーションなどを学んでいきます。
   

 

 

 

☆月齢約2ヶ月~1歳

仔犬たちは1頭ずつパピーウォーカー(仔犬飼育ボランティア)の家庭に1歳になるまでの約10カ月間
お世話になります。仔犬の社会性が培われる大切なこの時期に、家族の一員として愛情たっぷりに
育てられることによって「人と一緒にいることが楽しい」「人が大好き」という盲導犬にとって、
とても大切な要素を養います。また、お家の中で生活していく中で人との生活のルールも学んでいきます。
  

 

 

 

☆1歳~  盲導犬の訓練スタート

1歳になると、パピーウォーカーの家庭から盲導犬協会に戻り、いよいよ盲導犬になるための訓練がスタートします。訓練期間は約1年~1年半程。その間にいくつかの評価を行いながら、計画的に訓練を進めます。

 

◇稟性(ひんせい)評価

盲導犬協会に戻ってきて最初に、その犬の元々持っている性格(=稟性)を知るための評価を行います。
落ち着きや興奮の高さ、怖がりor大胆、積極的or受動的など、その犬がどんな性格なのか、
把握した上で訓練計画をたてます。
   

 

 

◇基本訓練
基本となる指示語「シット(すわれ)」「ダウン(ふせ)」などを最初はオモチャなど使いながら
教えていきます。大事なポイントは上手く指示と合った行動ができたときに「グッド」とよく褒める事。
これによって「この指示でこの行動をしたら褒められた=嬉しい」ということを訓練犬たちは学習していきます。最終的には指示をされた時に、褒められたくて喜んで行動することができるように訓練していきます。
   

 

 

◇誘導訓練

基本訓練を繰り返すことで訓練士への集中力が高まってきたら、いよいよハーネスをつけての誘導訓練を
行います。盲導犬のお仕事が安全に、正確に出来るように、基礎的な誘導訓練から、エスカレーターや
電車・バスの乗り方、改札の通り方など応用的なものまで、段階的に進めてゆきます。
  

 

~いくつかの評価~

◆第1回適性評価(TP1=Task Performance1)

評価する犬の訓練担当の訓練士がアイマスクをつけて、今まで訓練したことがどれだけ実践できるか評価します。
  

 

◆第2回適性評価(TP2)
1回目の適性評価で訓練継続となった訓練犬は、約2ヶ月後に第2回適性評価を受けます。
今度は評価する犬の担当ではない訓練士がアイマスクをして街を歩きます。
訓練担当者ではない人が指示を出しても、きちんと誘導できるかどうかを評価します。

 

◆第3回適性評価(TP3・4)

3回目の適性評価では、より人通りや車通りの多い繁華な場所での歩行、
4回目では交通機関(電車・バス)の乗降を行います。
  

 

 

◆共同訓練前評価
盲導犬ユーザーとの生活環境を想定した場所や歩行の状況をつくり、
盲導犬としての仕事を無理なく楽しく安全に行えるか最終的な評価をします。

 

 

☆共同訓練
盲導犬を希望する視覚障害者とパートナーになる盲導犬が一緒に訓練を行うことを共同訓練と呼びます。
初めて盲導犬をもつ方は約4週間、2頭目3頭目の盲導犬をもつ方は約2週間の共同訓練を行います。

 

前半は、盲導犬協会に泊まり込んで、盲導犬との歩行訓練や指示語の出し方、犬の食事や排泄の方法など、
担当訓練士の指導のもと盲導犬と暮らす上で必要な基礎知識を学びます。

 

後半は、盲導犬ユーザーのご自宅近郊での現地訓練を行います。通勤や通学など
盲導犬ユーザーが利用する頻度の高い場所や駅で訓練を行い、安全に歩ける様に訓練します。
  

 

 

 

☆盲導犬としての生活(約2歳~10歳)

共同訓練を終えると、晴れて「盲導犬ユーザー&盲導犬」としての生活が始まります。
盲導犬ユーザーの目となり、大切なパートナーとして過ごし、いろいろな所へ一緒にお出かけします。
年月を重ねるごとに、盲導犬ユーザーと盲導犬との間には強い信頼と絆が生まれます。

 

貸与後も定期的に盲導犬歩行指導員がフォローアップに伺い、安全な盲導犬歩行を保ちます。
    

 

☆引退(10歳)

10歳を迎えると、盲導犬のお仕事を引退します。(人間でいう所の定年退職)
盲導犬ユーザーは新しいパートナーを迎え、引退した盲導犬は引退犬オーナーの家庭で
のんびりと楽しく余生を過ごします。

 

引退犬オーナーの存在があるからこそ、盲導犬ユーザーは安心して
新しいパートナーとの一歩を踏み出すことができます。

   

 

 

このように盲導犬は、たくさんの方々の愛情に包まれて、一生を過ごしていきます。

 

 

そして、訓練をしたすべての犬が盲導犬になるわけではありません。それぞれの犬の適性を見極め、
その犬その犬に合った進路(盲導犬・繁殖犬・PR犬・キャリアチェンジ犬など)を選ぶのも
盲導犬協会の大事な仕事になります。どの進路に進んでも、犬達はたくさんの愛情の中で過ごしていきます。