盲導犬は目的地へ連れて行ってくれるの?
そう思っている方もいらっしゃいますが、盲導犬はカーナビではありません。
「郵便局まで連れて行って」と盲導犬に言っても、盲導犬は困ってしまうだけなのです。
どのようにして盲導犬ユーザーと盲導犬は目的地まで行くかと言うと…
■盲導犬ユーザーは…目的地までの地図を頭の中で描きながら、盲導犬に指示を出す
■盲導犬は…主に5つのお仕事をする
盲導犬ユーザーと盲導犬はそれぞれ役割を分担しながら、協力して目的地まで行くのです。
盲導犬の5つのお仕事
盲導犬のお仕事は大きくわけて5つあります。
- 道の端を歩く
- 道にある自転車やすれ違う人などの障害物をよける
- 十字路など、道の角で停まる
- 階段など段差の手前で止まる
- 人の指示した方向に進む
①道の端に寄って歩く | ②障害物を避ける |
③段差での停止 | ④角での停止 |
障害物を避ける時には、盲導犬は一緒に歩く盲導犬ユーザーの背の高さや横幅などを意識して、
盲導犬は「ここは一緒には通れないな」と自分で考えて判断し、安全に通れる道に誘導します。
意外にシンプルに思える盲導犬のお仕事ですが、障害物をよけたり段差を教えてくれるだけで、盲導犬ユーザーは安全に安心して歩く事ができます。
ハーネスはお仕事中のサイン
盲導犬が仕事をしている時には、必ずハーネスをつけています。
盲導犬が段差で止まったり、障害物をよけた時に伝わるハーネスの傾きや動きで、
「あ、階段があるな」
「何か障害物をよけたんだな」
と盲導犬ユーザーは道の状況を判断することができます。
また、ハーネスは周囲の皆さんに「今はお仕事中です」とわかっていただくためのサインでもあります。
ハーネスをつけている盲導犬を街で見かけた際には、「盲導犬を見かけたら」を思い出していただき、盲導犬と盲導犬ユーザーが安全に歩ける様に、盲導犬にはちょっかいは出さず、盲導犬ユーザーの様子や、歩いていく先の安全をぜひ確認して、見守ってあげてください。
盲導犬は最高のパートナー
盲導犬の食事やトイレ、グルーミングや耳掃除・歯磨き、月1~2回のシャンプーなど盲導犬のお世話は、基本的に盲導犬ユーザーが責任をもって行います。ワクチンや予防注射など盲導犬の健康管理も同じです。
これによって年月を重ねれば重ねるほど、盲導犬ユーザーと盲導犬の間に深い信頼と絆が生まれます。
盲導犬の役割は安全な歩行のお手伝いのみならず、盲導犬ユーザーにとって盲導犬の存在自体が、希望と喜びを与えてくれる最高のパートナーでもあります。