ハーネスを着けている時、盲導犬は“盲導犬ユーザーの目“ としてお仕事中です。
盲導犬ユーザーと盲導犬が安全に歩けるように、出会った際の大事なお願いがあります。
ぜひ知ってください。
盲導犬に対してしないでほしい事
盲導犬に触ったり、声をかけたり、口笛などで犬の気を引いたりしないでください。
盲導犬は、前方の障害物や人の流れ、交差点などの道路状況に注意しながら集中して歩いています。
「カワイイね」「お利口だね」と盲導犬に声をかけたり、盲導犬の気をひこうとして、
わざと口笛など気になる音を出されたりすると、そちらが気になり盲導犬がよそ見をしてしまう可能性があります。
よそ見をしてしまうだけで、角や段差の見落とし・障害物の発見の遅れなどが起き、
大きな事故や道に迷う要因となり盲導犬ユーザーが困る事態に繋がりかねません。
盲導犬がお仕事に集中して、盲導犬ユーザーと安全に歩ける様に周囲の方のご協力をお願いします。
盲導犬に食べ物やお水をあげないでください。
盲導犬の食事や水分は、盲導犬ユーザーがしっかりと与えるタイミングを考えているので心配はいりません。排泄のリズムにも関係しますので、ユーザーに無断で勝手に食べ物を与えたりせず、優しく見守って下さい。
ハーネスを着けている時は静かに見守って下さい。
たとえば、盲導犬が1頭で「wait(ウェイト)」をして待っている時もハーネスを着けている時はお仕事中です。待っている時にも、撫でたり・目をじっと見つめたりせず、遠くで静かに見守ってください。
盲導犬は人が大好きな性格の子がお仕事をしています。じっと見つめられ目があうだけで、思わず嬉しくなって、「ウェイト(待て)」と盲導犬ユーザーさんに言われた場所から動いてしまうかもしれません。
そうなると盲導犬ユーザーが戻ってきた時に、どこに盲導犬がいるのかわからなくなって困ってしまったり、動いた先でしっぽで何かを倒してしまうなどトラブルにも繋がりますので、盲導犬に対しては心の中で応援をするだけに留めてあげてください。
盲導犬に出会った時に皆さんにしてほしい事
ここからは、街中で盲導犬&盲導犬ユーザーに出会った際に、ぜひ皆様にお願いしたい事になります。ぜひ頭の片隅に入れておいてください。
盲導犬ユーザーさんの様子をよく見てください。
もし街中で盲導犬と出会った時には、盲導犬に対しては心の中で熱いエールを送っていただき、
目線は盲導犬からググっと上にあげて、ぜひ一緒に歩いている盲導犬ユーザーに注目してください。
という2点をよく見てください。
同じ道を歩いている間、目の届く間は、「何か困った様子の時には助けてあげよう」という感じで、
【見守りの目】を持っていただけると助かります。
困っていそうな時には盲導犬ユーザーに声をかけてあげてください。
焦っていそうな様子、困っている様子があった場合には、盲導犬ではなく
盲導犬ユーザーに対して「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけて、お手伝いをお願いします。
お手伝いの方法
バス停まで、改札までなど道案内をお願いされた際には、「手引き歩行」でのお手伝いをお願いします。手を引っ張ったり、背中を押す形は、危険を伴いますので、手引きの形をぜひ覚えてください。
- ■手引きでの道案内の方法■
- どちら側の腕がいいか聞く
- その方の、少し前(半歩前)に立つ
- 案内する人の肩または肘の少し上につかまってもらう
- 道幅に注意しながらご案内する
こんな時にはぜひ声をかけてください。
盲導犬と歩いていても、周囲の方ののサポートが欲しい時があります。
ぜひこんな場面に出会った際にはお力添えをお願いします。
横断歩道で
信号の色を判断は、盲導犬ではなく、盲導犬ユーザーがします。
判断する時のヒントは周囲の「音」。
青信号の時に音の鳴る音響信号がある時はその音、
ない場合は周囲の車や歩行者の動き出す音や止まるを聞き、青かどうか判断します。
しかし最近は、電気自動車やハイブリッド車の普及もあり、音の判断を迷う事も増えてきてます。
もし、あなたが信号を渡る時に、白杖の方や盲導犬ユーザーが信号待ちをしていた時には
一言のお手伝いをお願いします。その声掛けが、大きな安心につながります。
駅のホームで
駅のホームは視覚に障害をお持ちの方にとって、とても危険を感じる場所です。
駅のホームには人の列やベンチなどの障害物、たくさんの音などがあり、盲導犬ユーザーが方向や電車の到着などを勘違いしてしまう事がありえます。そして万が一、事故が起きてしまうと死亡事故にも繋がる重大事故が起きてしまいます。
ユーザー自身は、「階段に向かって歩いている」と思っていても、色々避けているうちに体の角度がズレてしまい、実はホームの端に向かって歩いていたり、「電車が来た」思っていたが、実際は隣のホームの電車の到着音だったという事が起こりうるのです。
盲導犬ユーザーや白杖の方を見かけた際に、変な方向に向かっている・危険が迫っている場合には、
「盲導犬の人、止まってください!」「白杖の人、止まって!」と具体的な言葉で伝えてください。
街で
盲導犬は【身体障害者補助犬法】という法律で、盲導犬ユーザーの身体の一部として認められています。なので盲導犬ユーザーが利用できる場所は、盲導犬を同伴して、電車やタクシー、飲食店やホテルなどを利用する事が出来ます。
しかし、この法律(身体障害者補助犬法)を知らない人がまだ多く、「犬は入れません」「他のお客さんの迷惑になるかもしれないから」「保健所がダメだって言っているから」などと
入店を拒否される事が現在でもあり、盲導犬ユーザーは非常に悲しい思いをしています。
本部は法律を知っていても、現場のアルバイトの人や店長が知らずに入店拒否が起きることもあります。
もしそんな入店拒否や乗車拒否を見かけた際には、ぜひ周囲の皆さんからお店の方に
- 法律で同伴が認められていること
- ペットではなく盲導犬であること
- 受入れの義務があること
- きちんと訓練を受けいていること
をお伝えください。当事者の説明よりも、周囲の方の声の方が受入れてもらいやすい事も多いのでぜひお願いします。(詳しくは盲導犬に関する法律のページをご覧ください)